ホメオパシー(homeopathy)という語は、ギリシャ語の二つの単語に由来しています。「類似の」という意味の『homoios』と、「苦しみ」という意味の『pathos』からなる造語です。

ホメオパシーは「似たものが似たものを癒す」という原理に基づき、レメディーと呼ばれる薬（砂糖玉）やハーブを用いる治療法です。

1800年頃、ドイツの医師ハーネマンがホメオパシーの原理を確立しました。8ヶ国語を理解していたというハーネマンはある時、「キナの皮がマラリアの特効薬になる。」という文献を目にします。では健康な人にキナの皮を与えるとどうなるのか？その結果はマラリアのような症状が現れる、というものでした。

そこからハーネマンは自然界にある植物、動物、鉱物、あらゆる種類の物質を投与し、どのような症状が出るのかを観察していきます。現在では天文学的に希釈浸透したレメディーを使用していますが、当時は原物質でしたので危険もあったと言われています。

ハーネマン以前、3000年以上前のヒンドゥー教の文書で伝えられています。古代ギリシャのヒポクラテス医学の父とよばれるヒポクラテスの文書でも触れられており、16世紀の錬金術師パラソーサスはホメオパシーを実践していました。

私がホメオパシーを学んだロンドンでは、ドラッグストアーにホメオパシーレメディーが並んでいます。誰もが手に取り、選んで購入出来るのです。

ヒポクラテス（古代ギリシアの医者で医学の祖とされる人物）は、自然治癒力を重視し、全体的な状態を考慮するアプローチを提唱したことで知られています。

・自然の治癒力を信じること

・患者本人の生活様式や環境を考慮すること

・病気を単に症状だけでなく、人間全体の不調和として捉えること

ホメオパシーを使えば治るのではなく、自己治癒力を信じる準備ができた人から治っていく療法であるといえます。